著者
日野 愛郎 粕谷 祐子 西川 賢 MCELWAIN KENNETH FAHEY ROBERT・ANDREW 渡辺 耕平 SONG JAEHYUN 三輪 洋文
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

近年、反エスタブリッシュメントを掲げて登場したポピュリストが政権に就く事例が増えている。このような「ポピュリストの体制化」とでも呼ぶべき逆説的な展開を踏まえて、本研究は、既存のポピュリスト態度の指標を改善し、新たな指標を検討する。体制化したポピュリストは、マス・メディア、学者、官僚、財界人などのいわゆる非政治的エリート(non-political elite)を批判して反エリート感情を煽り、庶民からの支持を調達する。本研究は、非政治的エリートの項目を含む新たなポピュリスト態度の指標を考案することにより、ポピュリストが体制化した国においても、正確にポピュリスト態度を測定することを目指す。
著者
根本 敬 泉谷 陽子 磯崎 典世 井上 あえか 宇山 智彦 礒崎 敦仁 粕谷 祐子 横山 豪志 石塚 二葉 新谷 春乃 中野 亜里
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は権威主義体制の持続という現代世界を特徴づける検討課題を設定し、その中でも「建国の父」という正統性シンボルに着目して、アジア諸国(計8か国)を対象に比較分析を行うものである。主に歴史学と比較政治学のディシプリンを活用し比較定量分析による一般化可能な論点を抽出することも目指す。権威主義体制、ナショナリズム、歴史修正主義などの研究分野への貢献を視野に入れている。具体的な問いは次の2つである。(1)「建国の父」という正統性シンボルが、本人およびその後の後継エリートによってどのように構築され、継承、変化してきたのか(2)「建国の父」と権威主義体制の持続とのあいだにはいかなる関係があるのか
著者
尾野 嘉邦 石綿 はる美 三輪 洋文 横山 智哉 中村 航洋 松林 哲也 粕谷 祐子 木村 泰知 河村 和徳
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究の目的は、人々のジェンダーバイアスとその政治的影響を包括的に検証し、「指導的地位」に占める者の間に大きな男女格差が生じる要因と解決策を明らかにすることである。それにより、政治や社会において男女共同参画をさらに進めるだけでなく、男女それぞれが個人として、多様な選択やキャリアの実現を可能とするための方策を考える。そのために、①議事録などのテキストデータを機械学習によって分析するテキストマイニング、②サーベイ実験などの実験的手法により因果関係の解明を目指す行動実験、③世界各国の専門家を対象とした大規模なサーベイによる国際比較調査、という複数の手法を用いて、学際的かつ国際的に研究を行う。
著者
日野 愛郎 新川 匠郎 藤田 泰昌 網谷 龍介 粕谷 祐子 上谷 直克 木寺 元 岡田 勇
出版者
早稲田大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2023-06-30

本研究は質的比較分析(Qualitative Comparative Analysis)の開発、比較検討、実践を共創的に展開し、政治学の更なる発展に道筋を付ける。QCAは複数条件の組み合わせを網羅的に扱い、必要条件性や十分条件性をブール代数や集合論を基に把握する。本研究は(1)政治学が強い関心を払う歴史的・時間的な変動を分析可能とするTime-differencing QCAの方法を開発し、(2)先行研究のデータ分析を再現する中で、結果を規定する原因の「条件性」を他の手法と比較検討してQCAの独自性を明確にし、(3)比較政治、国際関係、行政学の各領域での実践を基に分析のガイドラインを作成する。
著者
粕谷 祐子
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.48-61, 2015

本稿では,東南アジア諸国における現行の選挙制度を概観したうえで,1990年代以降に選挙制度改革のあった3カ国をとりあげ,その改革導入の経緯と帰結を検討する。インドネシアにおける非拘束名簿式比例代表制,阻止条項,女性クオータ,タイにおける小選挙区比例代表並立制,およびフィリピンにおける政党名簿制の導入がここでの主な分析対象である。これらの制度改革に共通するおおまかな特徴として,多数決型への変更とコンセンサス型への変更とが混在していること,民主化という体制変動を契機に制度改革がおこっていること,そして,制度設計者が意図したとおりの変化はほとんどの場合おこっていないこと,の3つを指摘する。
著者
粕谷 祐子
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.1_90-1_117, 2015 (Released:2018-06-10)
参考文献数
64

In Japan, malapportionment—the high level of disparity in the size of the population, and thus the weight of votes, across electoral districts—has been a national concern for several decades. Through a review of both normative theories of representation and comparative empirical studies related to the legislative malapportionment, this article identifies two problems in the ways this issue has been addressed in Japan. First, the measurement method used in most Japan-focused studies (the “max-min ratio”) is inappropriate, impeding the effectiveness of reform attempts to date. Alternative measurement methods such as the Loosemore-Hanby index should be used. Second, while most studies adopt a narrow focus in arguing for rectifying malapportionment for the sake of political equality, comparative empirical studies indicate that doing so may lead to other undesirable results such as partisan gerrymandering and lower voter turnout. This article provides a novel and comprehensive framework for possible institutional reforms based on theories of representation.

1 0 0 0 比較政治学

著者
粕谷祐子著
出版者
ミネルヴァ書房
巻号頁・発行日
2014