- 著者
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菅野 峰明
- 出版者
- 地理空間学会
- 雑誌
- 地理空間 (ISSN:18829872)
- 巻号頁・発行日
- vol.2, no.2, pp.79-98, 2009
本稿は1960 年代後半からの経済成長と人口増加というサンベルト現象を経験した南部がその後どのように変化したかを経済,人口,都市,生活の側面から検討したものである。1960 年代から合衆国南部と南西部はサンベルトと呼ばれ,その後の成長が約束されたかのようであった。南部の製造業は躍進し,就業者は増加し,人口流入が続き,まさに太陽の輝いている地域であった。ところが,南部農村部のもっていた低賃金という相対的有利性が崩れ,労働集約的製造業の分工場が閉鎖され,製造業の重要性は低下した。しかし,所得水準の上昇と増加した人口に対応してサービス産業が成長し,サービス産業が集中した都市圏は発展を続けた。また,高齢者人口の増加とリタイアメント・コミュニティの開発によって,医療・社会支援部門の雇用が増加し,南部の産業構成も変化した。