著者
栗原 治
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.11-20, 2018

<p>2011年 3 月11日に発生した東京電力福島第一発電所事故(福島原発事故)から既に 7 年間が経過し,これまでの間,主として福島県住民を対象とした個人線量測定及び評価が数多く行われてきた.言うまでもなく,住民に対する個人線量評価は,今後の放射線被ばくに起因する健康影響の評価を行う上で重要である.本稿では,これまでに報告された関連する日本人研究者による主要論文の概観を行うともに,福島原発事故に係る個人線量測定及び評価に係る経験や課題について記述した.福島県住民が同事故によって受けた全身の被ばく線量の推計値は総じて低く,自然放射線から受ける年間の被ばく線量と同等またはそれ以下とする論文が大半であった.現存被ばく状況下にある近年のきめ細かい個人線量測定は,追加被ばく線量を低減するための方策を検討する上で有用であり,また,放射線リテラシーの醸成に貢献している.個人線量評価における残された大きな課題としては,特に事故初期の被ばく線量の不確かさの評価であり,さらなる研究が望まれる.</p>

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こんな論文どうですか? 2011 原子力災害後における福島住民の外部及び内部被ばく線量評価(栗原 治),2018 https://t.co/98Y7Z0FpPE

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