著者
吉田 英機
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌
巻号頁・発行日
vol.73, no.11, pp.1416-1421, 1982
被引用文献数
1

1976年11月から1978年11月までのほぼ2年間に126例の結婚前青年期における医学生の精液所見について検討した. 精液量は3.0±0.9ml (me an±SD, 以下同様), 精子濃度は azoospermia が1例あつたためその例を除外した125例の測定平均値は106±50million/ml総精子数は313±165million/semen であり, 運動率は62±12%, エオジン活性率は80±8%, 奇型率はメチレンブルーによる単染色による測定であるが11±2%であつた. また総運動精子数は, 192±111million/mlであつた. さらに幼小児期の流行性耳下腺炎の既往を有する群と既往のない群との精子濃度および総精子数の比較では両群に何ら差は認められなかつた.<br>一方9例について1977年12月から1978年11月の一年間に亘りほぼ継続的に精液の提供をうけ, 精液所見の季節的変動について検討したところ, 精液量, 運動率, エオジン活性率および奇形率には著明な変動は見られなかつたが, 精子濃度は6月と7月の夏期に著明に低下し, 9月と10月の秋期に増加し, 総精子数および総運動精子数も同様の傾向を認め, ヒトにおいても精子濃度には季節的変動の存在することが強く示唆された.

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