著者
小野寺 みつ江 仙波 静 山内 登志子 石田 泉 山田 さゆり 遠藤 利江子 山田 泰子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.161, 2011

東日本大震災時における福島県厚生連6病院栄養科の対応と教訓福島県厚生連栄養士会 小野寺みつ江・仙波静・山内登志子・石田泉・山田さゆり・遠藤利江子・山田泰子<はじめに>東日本大震災時に福島県厚生連の栄養科で、何がおき、いかに対応し、どのような教訓を得たのかを報告する。<各病院の状況>福島第1原発から3_km_の双葉厚生病院では、3月11日地震により調理器具の全てが倒れ、ガス漏れが発生した。ライフラインは電気のみ確保されていた。当日夕食は、ガスコンロにより飲水不可の水で非常食を温めて提供したが、患者の避難場所が把握できず、また緊急に来院した外来患者にも食事を提供したので食数が掴めなかった。隣接する健康施設に職員用の炊き出しを依頼した。翌12日朝食も非常食を提供した。昼、水道が復旧、厨房器械の点検をしたが、原発事故のため全患者全職員が緊急避難し、同院は現在も休院中である。原発から30kmの南相馬市に位置する鹿島厚生病院では、震災直後、ガス、ボイラー、エレベーターが停止した。原発事故後、職員は自主勤務になったため、調理員の数が不足し、他部門のスタッフと協力を得て食事を提供した。さらにガソリン不足と物流停滞のため、16日以降の食材納入が停止した。栄養士は病院に宿泊し、食材集めに奔走した。同院は19日から4月10日まで一時休院した。中通り南部に位置し、液状化現象が起きた白河厚生総合病院は、建物には被害がなかったが、外部の水道管が破裂し断水した。病院の貯水タンクの水を使い、自衛隊による給水支援を受け、節水しながら食事を提供し、非常食は使用しなかった。塙厚生病院では6時間の停電があり、1食、非常食を使用した。坂下厚生総合病院ではガスが停止し、1食、非常食を使用した。高田厚生病院では食事提供上の問題は発生しなかった。<考案>_丸1_災害時に備え、設備、給食材料の業者と契約を結んでおく。_丸2_水を確保する。_丸3_非常時に備え、栄養科以外の職員に、非常食提供の指導と訓練をしておく。ライフラインが確保されない時を想定しておく。_丸4_患者や職員以外の非常食を備蓄しておく必要がある。

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