- 著者
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中村 久美
- 出版者
- 一般社団法人 日本家政学会
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.54, pp.330, 2002
集合住宅バルコニーのあり方を検討するため、207戸の中層集合住宅の利用実態と意識に関する調査を行った。それによると、物干しや植栽関連のモノに加えて、ゴミ、不要品や玄関や他の居室に収納しきれない多様なモノが置かれている。北側に台所から出られるバルコニーを有する世帯では、モノの管理はそちらで行い南北バルコニーの使い分けがみられる。展開される生活行為は、物干し、園芸以外にモノの管理を中心とする家事や夕涼み·日向ぼっこ、季節行事、子供の遊び等が比較的よくされるが、多種類のゴミ、不要品を置いているバルコニーでは本格的なくつろぎ行為はされない。しかしリビングの延長としての利用への要求は高く、物干しとの区別、モノの管理を担う台所バルコニーの併置の必要が指摘できる。