- 著者
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鎌田 佳伸
森島 玲子
田中 美和子
- 出版者
- 一般社団法人 日本家政学会
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.59, pp.271, 2007
ミシン刺繍で重要な因子である光沢は、刺繍糸と縫い方により左右される。したがって、刺繍糸に関わる繊維素材、繊維や糸の構造、縫いパターンの光沢に対する関与情報を充分に把握して活用することが重要となる。例えば、縫いパターンと光沢の関係が明らかであれば、図柄を設計するに当たりそれに適したパターンを各場所に適用することができる。本研究では、ミシン刺繍の糸使いと光沢との関係を明確化し、糸の構造と光沢との関係についても言及した。刺繍ミシンにはジャノメメモリークラフト10000を用いた。縫いはサテン縫いである。各種の刺繍糸で縫いピッチを変えた試料を作成するなどを行い。それらの光沢を測定した。実験に用いた刺繍糸の原繊維であるポリエステル繊維の断面形状は光沢を意識した三角断面が用いられていた。メーカー別の4種の比較において、光沢度にかなりの差異が見られた。その結果から、考えられる光沢に関する要因として、素材、繊維断面形状、繊維太さ、糸の撚り角、パターン形状、糸の仕上げ処理、などが考えられ、これらが複合的に、光沢に影響していると思われた。少なくとも、より高い光沢を得るには異形断面(三角断面)で、撚りは少なく、より細い繊維を利用して均整で平滑な刺繍糸を用いることが必要であると結論付けた。