著者
石川 亜沙美 角田 由美子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.61, pp.293, 2009

<B>目的</B> デザイン性を重視した婦人靴が多く流通している。ヒールの高い靴やミュールなど様々なデザインの靴を履いて街を歩く女性の中には、膝が曲がったまま歩行をしたり、前傾姿勢になっている姿が多くみられる。靴のデザインが歩行動作にどのような影響を及ぼすか、各種のデザインの靴を用いて歩行分析実験を行い、検討した結果を報告する。<BR><B>方法</B> 試験靴は、ヒールの形状が同じでヒール高5cmと9cmのパンプス、ヒールの高さが同じでヒールの太さが細いタイプと太いタイプのパンプスを用いた。さらに、ヒール高5cmのミュールと、ストラップ付きのサンダルを比較した。被験者は20歳前後の健康な成人女子9名とし、ニッタ社製のゲイトスキャンを用いて歩行速度・歩幅を計測した。また、各種試験靴で平地歩行する際の状態を、1/120(秒)の高速度設定にしたビデオカメラで側面から撮影した後、上半身の傾斜角度と膝の屈曲角度を、デジモ社製のPTV二次元移動計測ソフトを用いて解析した。さらに、普段履きなれている靴および実験に用いた靴の歩行中の姿勢と着用感について、5段階評価による官能評価を行った。<BR><B>結果</B> (1)ヒールの高さによる違いでは、ヒールの高い靴は不安定になりやすいため、歩幅は狭く、両足接地時間が長く、ゆっくりと歩行していた。さらに、前傾姿勢になり、膝を曲げて歩行していることが明らかになった。(2)ヒールの太さによる違いでは、細いヒールは接地面積が小さく、不安定なため、歩幅が狭く、ゆっくりと前傾姿勢で歩行することが明らかになった。(3)ミュールは、踵が靴から離れやすいデザインのため、慎重に歩行することで視線が下がり、前傾姿勢になる傾向が認められた。

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CiNii 論文 -  婦人靴のデザインが歩行動作に及ぼす影響 https://t.co/VT0umEzu6E #CiNii

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