- 著者
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森 孝仁
奥田 薫
- 出版者
- 宝石学会(日本)
- 雑誌
- 宝石学会(日本)講演会要旨
- 巻号頁・発行日
- vol.27, pp.12, 2005
<br> 日本市場でも大変人気のあるルビーであるが、中でもミャンマー産は高く評価されている。<br> ミャンマーのルビーは、mong-hsu(シャン州)、mogok(マンダレー区)、nam-ya(カチン州)の3つの鉱区から産出する。日本の市場では、鉱区まで明記して販売することは稀であるが、最近では、鑑別書に表記改定に伴い、加熱処理の有無を明確にさせることからも、しばしば鉱区を特定する必要性が生じるようになってきた。一般にmogokとnam-yaのルビーは良質で、加熱処理の必要のないものがあり、mong-hsuのルビーは加熱することにより、鮮やかな赤色に変化するといわれている。<br> 今回、株式会社モリスはミャンマーの協力を得て、3つの鉱区からの未処理のルビー原石および母岩を入手することができた。それぞれの母岩をもとに、鉱区の成り立ちを検証するとともに、未処理のルビー原石について、内包物の拡大検査、可視分光吸収特性および含有微量元素について調査を行なった。<br> ミャンマーの3つの鉱区におけるルビーの特徴について、今回得られた結果を報告する。