著者
森 孝仁 奥田 薫
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨
巻号頁・発行日
vol.29, pp.2, 2007

面積678,330平方キロメートル(日本の1.8倍)、人口約52,000千人のミャンマー連邦(The Union of Myanmar)は、宝石の産出国として世界でも類を見ない国です。<BR>西洋・東洋において、それぞれ最も人気のあるといわれるルビー・ジェイダイトの最高品質は、いずれもミャンマーで産出されます。両者の生成には、全く異なる地質条件が必要であり、それを満たす土壌が同じ国内に共存するということは、大変不思議なことです。また、ミャンマーでは、それ以外にも、ブルーサファイア、レッドスピネル、ペリドット、アイオライト、ジルコン、アクアマリン、シリマナイト、カイヤナイト、ブルーアパタイト、イエローダンビュライト等、様々な宝石が産出し、いずれも品質の高いものが見られます。また、宝石質のダイヤモンドもわずかに産出します。それぞれの宝石の簡単な特徴について紹介するとともに、このような多種の宝石を産出するミャンマーの土壌に関して、ミャンマー現地に宝石研究所を有する当社が得た情報を報告します。<BR>また、同研究所では、過去5年間に持ち込まれた全てのルビーについて、採掘された地域、外観特徴、拡大検査、可視分光吸収および成分分析のデータを蓄積しています。今回、今まで得られたデータを整理することで、ミャンマー産ルビーの特徴を明らかに、他の産地におけるルビーとの判別方法について報告します。
著者
森 孝仁 奥田 薫
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨
巻号頁・発行日
vol.27, pp.12, 2005

<br> 日本市場でも大変人気のあるルビーであるが、中でもミャンマー産は高く評価されている。<br> ミャンマーのルビーは、mong-hsu(シャン州)、mogok(マンダレー区)、nam-ya(カチン州)の3つの鉱区から産出する。日本の市場では、鉱区まで明記して販売することは稀であるが、最近では、鑑別書に表記改定に伴い、加熱処理の有無を明確にさせることからも、しばしば鉱区を特定する必要性が生じるようになってきた。一般にmogokとnam-yaのルビーは良質で、加熱処理の必要のないものがあり、mong-hsuのルビーは加熱することにより、鮮やかな赤色に変化するといわれている。<br> 今回、株式会社モリスはミャンマーの協力を得て、3つの鉱区からの未処理のルビー原石および母岩を入手することができた。それぞれの母岩をもとに、鉱区の成り立ちを検証するとともに、未処理のルビー原石について、内包物の拡大検査、可視分光吸収特性および含有微量元素について調査を行なった。<br> ミャンマーの3つの鉱区におけるルビーの特徴について、今回得られた結果を報告する。