著者
松島 加奈 岩佐 光啓
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
巻号頁・発行日
vol.61, pp.71, 2009

北海道十勝地方と大雪山において、オオクロバエミヤマクロバエの発生動態と生活史を明らかにすべく、2007年5月から2008年10月までの2年間、平地(70m)、2箇所の鶏舎(70m, 160m)、日勝峠中腹(500m)、日勝峠頂上(1000m)で、2008年6〜10月には大雪山黒岳(1850m)で調査を行った。ハエの捕集には腐肉を用いた予研式トラップを使用し、成虫と幼虫を捕獲した。幼虫は羽化のためにトラップ近くに置いた羽化トラップに移した。採集した成虫は種を雌雄に分けて同定し、個体数、翅の摩耗度、卵巣発育段階、受精嚢の精子の有無を調べた。捕集されたクロバエ類は7種で、最も優占したのがミヤマクロバエで、次いでオオクロバエだった。2箇所の鶏舎では、クロバエ類の捕集数に大きな違いが見られた。ミヤマクロバエは平地と500mでは10月に最も多く捕集され、1000mと黒岳(1850m)では7〜9月に最も多かった。8月の黒岳(1850m)では羽化がみられた。卵巣は、1000〜1850mで7〜10月に成熟した個体で占められ、交尾率も高かった。平地と500mでは 10月に多くの個体が卵巣成熟していた。オオクロバエは、平地と鶏舎では6月に最も多く捕集され、500m、1000m、 黒岳(1850m)では7、8月に多い傾向がみられた。8月の500mでは羽化がみられた。卵巣成熟した個体は、平地から1000mでは6月から8月までみられ、黒岳(1850m)でも7〜9月の間に多くの個体が卵巣成熟し、交尾率も8〜10月には高くなる傾向にあった。2種の生活史と垂直移動について考察する。

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