著者
津田 みどり
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.11, 2005

種間の相互作用に関与する形質の進化は、コストがかからない場合には軍拡競争へと発展する。しかし、コストが他の形質にかかるとその限りではないことが知られている。本講演では、寄主_-_寄生蜂系の進化モデル(Tuda and Bonsall, 1999)をマメゾウムシー寄生蜂実験系に即して改良し、これに基づいた予測を紹介する。このモデルでは種間の相互作用に関与する形質と、それとは中立な形質の間にトレードオフ(コストがかかるため生じる2形質間の二律背反)がある場合に、それが進化のダイナミクスと帰結にいかなる影響を及ぼすかに注目している。寄主側のトレードオフは系の持続に寄与することがあるが、寄生蜂側のそれは寄与しないことなどが明らかにされた。このような進化動態を野外で観測することは一般に難しく、実際、そのような報告もない。そこで実験系を駆使した検証が重要となる。最後に、マメゾウムシー寄生蜂実験系を用いた検証方法について議論し、できれば実験結果を一部紹介したい。

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こんな論文どうですか? マメゾウムシー寄生蜂実験系における軍拡競争:予測(津田 みどり),2005 https://t.co/F9cij3VUaq 種間の相互作用に関与する形質の進化は、コストがかからない場合には軍拡競争へと発展する。しかし、コスト…

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