- 著者
-
吉田 真美
高橋 恵美
後藤 潔
- 出版者
- 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.19, pp.3, 2007
<BR><B>【目的】</B><BR> 豆類は廉価で保存性に優れ、やせた土地でも育ち、何よりもたんぱく質を多く含有することから、古い時代から世界の貴重な食料となってきた。そして世界のおのおのの土地で、それぞれの風土や気候、歴史、食文化にあった豆料理が育まれてきた。1昨年度の本大会での発表にさらに続けて調査をおこない、世界の豆料理の地域による特性を調べることを目的として研究をおこなった。<BR><B>【方法】</B><BR> 調査地域として豆の消費が多い世界の15の国または地域を選択した。それぞれの地域の、英語または日本語で記載された料理本計65册を取得して資料とし、その中から豆料理レシピをさがし877品をみいだした。それぞれのレシピについて、使用される豆の種類、調理法、主材料、副材料、調味法、スパイス等を調べ、エクセルに入力して比較検討し、地域による特性を調べた。<BR><B>【結果】</B><BR> 使用頻度の高い豆の種類は地域によって異なっており、東アジア圏の大豆、中近東のひよこ豆、ヨーロッパのいんげん豆やグリーンピース、南北アメリカ大陸のブラックビーンが特徴的だった。豆の形状は、世界的にはホール状で食べる場合が多いが、東アジア地域のみは豆をペースト状にする場合のほうが多くみられた。全体的には、豆を調理して煮物にして食することが多いが、東アジアの日本は汁もの、中国は炒めもの、朝鮮半島は御飯のものに使用することが多かった。さらに調味料やスパイスの使用も地域によって特徴があり、世界の豆食文化の多様性がみられた。