- 著者
-
中澤 弥子
- 出版者
- 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.21, pp.2024, 2009
<BR>【目的】長野県松本市梓川地区(旧梓川村)では、平成15年に第三セクターによる発芽玄米の加工場が設立され、農村女性グループを中心に発芽玄米による米の消費拡大と健康な地域づくりが行われてきた。既報<SUP>1) </SUP>において、梓川地区全戸を対象とする発芽玄米の摂取に関するアンケート調査の結果を報告した。本研究では、発芽玄米を長期摂取している梓川地区住民を対象とし、日常的な発芽玄米の長期摂取が健康に及ぼす影響を検討することを目的とした。<BR>【方法】松本市梓川支所および農村女性グループの協力を得て、梓川地区内で中高年を対象とし、留め置き法によるアンケート調査を平成20年2~3月に行った。梓川特産発芽玄米の摂取期間、摂取量、摂取頻度、摂取方法、調理上の工夫、健康への影響および基本健康診査結果等について調査した。<BR>【結果】アンケート配布数は91、有効回答数72、有効回答率は79.1%であった。回答者は、性別では女性が多く73.6%を占め、平均年齢は67.4±7.9歳であった。発芽玄米の摂取頻度は、「ほとんど毎日食べる」が68.1%、ご飯として食べる場合の白米:発芽玄米の割合は2:1~4:1が72.2%、加水量は白米と同様が62.5%、通常の水加減より多めが37.5%だった。摂取による体調(健康状態)の変化については、「よい変化があった」の回答が54.2%、その内容は「便通がよくなった」が89.7%(N=39)でその多くから回答された。基本健康診査においては、高血圧症・高脂血症の改善傾向、総コレステロール値の減少傾向などを示す対象が存在した。<BR>1)中澤弥子:日本家政学会第59回大会、岐阜(2007)