著者
前田 健一郎
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.94, 2002

全国レベルでの規模拡大が進んでいない現状の中で、新潟県頚城村では経営規模の拡大が進んでいる点に注目し、規模拡大が展開している要因を考察することを本報告の目的とした。1969年以降からはじまった減反政策のさらなる強化や近年のさらなる米価の低迷は、全国的レベルで水稲作農業経営を困難なものとして、その対応に苦慮しており、低湿地を広く持つ頚城村でも例外ではなかった。畑作物の導入が困難な村の農業経営の安定にとっては、水稲作の大規模化が迫られている。このような状況のもとで、一部の個別経営農家や農業法人では積極的な経営規模の拡大が展開している。農地の流出元は「浜」の少ない面積を所有する多数の農家、「在」の大きな面積を所有する少数の農家が挙げられるが、近隣である上越市周辺の就業機会の深化とともに流動面積を伸ばした。

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