著者
上村 佳奈
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.128, 2017

<p>強風による森林風害の発生は、これまで経験/力学的モデルや統計解析によって、 被害発生の風速閾値(限界風速)の推定や要因の解明が行われてきた。しかし、強風時の被害がどのように始まり連鎖(拡大)していくのかという動的プロセスの分析が限られているため、被害推定の精度が向上しないという問題点が指摘されている。動的プロセスについては、通常数値計算などの膨大な計算処理が必要であるため、多様な林分の空間配置などを考慮した解析は少ない。本研究では、ゲーム理論やコンピュータサイエンス技術等を統合したAgent-based modelling手法に既存研究から得られた森林被害に関する理論および風況パラメタを組み込み、森林風害の発生と連鎖のシミュレーションを行った。その結果、林縁での耐風性が高く、林縁から林内への距離が長くなると耐風性は低下した。この傾向は、風洞実験や野外計測結果と類似していることから、 動的プロセスに着目した風害発生メカニズムの解析について本手法は有効であることが示唆された。また、風向に対し立木の配置を変えると、被害の発生場所や連鎖状態が異なることが確認された。</p>

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