著者
高田 宜武
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus (Journal of the Malacological Society of Japan) (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.53-64, 2018

<p>熱帯および亜熱帯の河口域では複数種のアマオブネガイ類が共存している。同所的に分布する4種のアマオブネガイ類(シマカノコ,ドングリカノコ,ツバサカノコ,イガカノコ)について石垣島のマングローブ域において調査を行い,微細な分布パターンを把握した。調査は2006年の1月と7月の2回行い,28 m<sup>2</sup>の調査地を25 cm毎に碁盤目状に区切り,各々の枠内にいたアマオブネガイ類の個体数を種ごとに計数した。Moranの<i>I</i>指数より,両月とも4種の分布は正の空間的自己相関を示すことがわかった。次に,空間的なランダム効果と固定効果として枠ごとの潮位高を考慮にいれた条件付き自己回帰モデルを4種の微細分布に適合させた。その結果,種間および調査時期で微細分布に違いがあることがわかり,潮位高は4種の分布に有意に影響するが,1月のシマカノコと7月のツバサカノコの場合以外では空間的自己相関の効果が卓越することがわかった。マングローブ域のアマオブネガイ類の個体数を推定する際には,空間的自己相関の影響を考慮しないと誤差が大きくなると考えられた。</p>

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