著者
寒河江 芳枝 柳本 亜紀
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.105, 2018

目的:筆者は、200X年2月生まれの男児Yが誕生してから6年間の成長記録を取り続けた。その中で、筆者はYが自分の要求と親との要求が異なる場面に出会ったときに生じた行動を中心に捉えた。観察から得られた結果は、Yが3歳頃になると自分の要求を通そうとするために生じた葛藤を間接的に表現することが分かった。この間接的な表現を迂回と称した。しかし、この調査は家庭の中にいる子ども一人を対象としているため本研究では幼稚園という集団生活の場で同じ現象が見られるかどうかを検討すると共に保育者が迂回行動を表した子どもに対しての対応方法について検討する。<br>方法:本研究の対象児は、2歳児P組37名である。観察は、保育室にビデオを2台設置した。なぜならば、このクラスは2クラス使用しながら保育をしている。ビデオは、子どもたちがいる方の部屋のビデオのみ使用した。撮影時間は、大半の子どもたちが登園してくる午前9時半から降園する13時半までである。観察の視点は、日常生活の中で子どもたちの要求が保育者の要求と異なった場合にどのような行動を取るかに視点を当てると共に保育者の対応方法も捉える。<br>結果と考察:観察から明らかにされたことは、迂回のレパートリーと子どもが迂回行動をした時に保育者が直接的に目を向けるのではなく間接的にかかわるという方法が、子どもの自発性を生み出すための的確な方法のように思われた。

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