著者
トゥルビン アレクサンドル 竹村 豊
出版者
公立大学法人 国際教養大学 アジア地域研究連携機構
雑誌
国際教養大学 アジア地域研究連携機構研究紀要 (ISSN:21895554)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.19-58, 2017

地理的近接性と共通経済利益と露日関係正常化への政治努力とは両国間の経済交流にポジティヴなダイナミズムを生み出すはずであり、日本海をまたぐ露日港湾間の船舶輸送量の増加にもつながるはずである。しかしながら、近年の成果は控えめなものにとどまり、急成長どころか、旧来の協力関係の維持すら難しいのが現状である。メディアや専門家の分析において、そのことは、主に、日本を含む諸外国の対露経済制裁とルーブルの下落に伴うロシア企業の購買力の低下によって説明されている。しかし、それだけが理由だろうか。東アジアでの露日間の貿易量に影響を与えている他の要因は何であろうか。本稿は、露日間の貿易と協力について海上交通の面で検討し、日本海をまたぐ両国港湾間の協力が現在抱えている問題と将来の展望を明らかにしようとするものである。

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