- 著者
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権 東祐
- 出版者
- 日本宗教学会
- 雑誌
- 宗教研究 (ISSN:03873293)
- 巻号頁・発行日
- vol.92, no.1, pp.27-51, 2018
<p>従来の近代神道研究は、国家神道の制度的な成立史を中心として論じられており、その視野は「日本」という地域に限られてきた。この制度史的な視点からみれば、国家神道と教派神道を明確に区別するのは当然である。しかし、「帝国日本」まで視野を広げつつ、教派神道の海外布教を再検討することからみれば、近代の国家・神社・神道は密接に相互交換の関係をなしており、国家神道と教派神道の線引きが曖昧になる。近代の神道は制度に縛られない形で展開していたことがわかる。そこで小論では、国家神道中心の神道像を超えて、神道史の中に多様にあらわれる「近代神道」像を構想する。そのためにまずは、神道の朝鮮布教時期や目的など、従来の新宗教研究における不備点や錯誤を修正した上、神道修成派・黒住教・神宮教の朝鮮布教を中心に「近代神道」研究の新たな方向を示す。</p>