著者
辻 大介 北村 智
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.99-109, 2018

<p>インターネット上では、従来のマスメディア中心型の環境よりも、情報・ニュースの選択的接触が生じやすく、それによって人びとの意見の極性化が生じ、世論や社会の分断を招くのではないかという懸念が、多くの研究者や評論家から表明されている。本稿では、日本の「ネット右翼」やアメリカの"Alt-Right"に見られるようなネット上の排外主義に着目しつつ、2016年に日本とアメリカで実施したウェブ調査のデータから、ネットでのニュース接触が排外的態度の極性化(二極分化)傾向との連関について検証する。分位点回帰分析の結果、日本ではPCを用いたネットでのニュース接触頻度がユーザの排外的態度の二極化傾向と有意に連関していたが、アメリカではむしろ専ら反排外的な方向のみに変化させることが確認された。このことは、ネットにおける態度・意見の極性化の生起が、社会・政治・文化的コンテクストによって左右されることを示唆している。</p>

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@moti2motare2 「ネトウヨ」は「ネット右翼」の略 ちゃんと意味がある言葉。 「ネット右翼」は現代用語の基礎知識や学術論文にさえ、意味ある言葉として使われている。 https://t.co/rZkowbP1Lv 一方、「パヨク」にはそれ自体意味がない。 ただの揶揄言葉である。
こんな論文どうですか? インターネットでのニュース接触と排外主義的態度の極性化:日本とアメリカの比較分析を交えた調査データからの検証(辻 大介ほか),2018 https://t.co/yd6GovKqcl

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