著者
向井 智哉 三枝 高大 小塩 真司
出版者
法と心理学会
雑誌
法と心理 (ISSN:13468669)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.86-94, 2017

理論犯罪学では"法律の感情化"と二分法的思考が厳罰傾向に影響を与えてきたという議論がなさ れている。本研究はその理論的議論を検証するため、質問紙法による調査を行い、二分法的思考、 社会的支配志向性、仮想的有能感、情報処理スタイルといった変数が厳罰傾向に及ぼす影響を明ら かにすることを試みた。その結果、検討に含めたすべての変数が有意であったが、その中でもとく に情報処理スタイルと二分法的思考が厳罰傾向の大きな予測因子であることが示された。この結果 は厳罰傾向にはある種の"非合理的"な要素が含まれており、刑罰に関する世論を理解しようとする のであれば、そのような要素を考慮に含める必要があることを示唆している。

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承前)引用)「”内部と外部”、さらには”犯罪者と通常人”のあいだに截然とした区別を設けることによって、歴史上、時として厳しい排外主義へとつながることもあった…(後略)…」(pp.86-87) https://t.co/l57lgRmJZf #CiNii
引用)「Tonry(2008)は、アメリカにおける厳罰化を進めた要因の一つとして宗教的不寛容を挙げる。彼によれば、アメリカ社会はその始まりからきわめて原理主義的な宗教観を持っていた。そのような原理主義的宗教観は、”敵と味方”、…(後略)…」(p.86)(続く) https://t.co/l57lgRmJZf #CiNii
CiNii 論文 -  厳罰傾向と"非合理な"思考 https://t.co/d3Enwi5nHm #CiNii

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