著者
向後 佑香 中島 幸則
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.287_1, 2018

<p> 平成28年4月の障害者差別解消法施行を受け、全国の高等教育機関に在籍する障害学生数は今後更に増加する傾向にあるとみられている。それに伴い体育指導者は、障害学生に対する体育実技指導や支援方法について正しい知識やノウハウを習得することが必要不可欠であると考える。</p><p> 本研究では、自然環境など外的要因の影響を強く受けるスキー・スノーボード場面に焦点を当て、聴覚障害者が感じる不安と危険について調査を行った。調査対象者は、聴覚に障害がある大学生約40名、聴覚障害児に対するスキー指導に長けたスキー指導者約20名、合計60名であった。調査内容は、「スキー及びスノーボードを行う際に"聞こえにくい・聞こえない"事によってどのような不安や危険を感じますか」という問いに対し、自由記述によって回答を得た。類似する記述内容をカテゴリー毎に分類した後、それぞれの出現件数及び割合を算出した。その結果、「死角からの接近・気配に気がつかない(27.9%)」という回答が最も多く、次いで「注意喚起の声に気がつかない(14.8%)」、「放送の情報が伝わらない(13.1%)」、「視覚情報の制限(8.2%)」等の記述が多く見られた。</p>

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