著者
堀井 健司
出版者
日本出版学会
雑誌
出版研究 (ISSN:03853659)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.99-124, 2010

<p>江戸最末期,福澤諭吉の著作『西洋事情』は,日本に「コピライト」概念を紹介した.皮肉なことに,この『西洋事情』をはじめ福澤の前期著作には,偽版が多く出された.</p><p>本稿では,福澤諭吉『西洋事情』と,従来その偽版と位置づけられてきた黒田麴廬(行次郎)校正『増補和解 西洋事情』をとりあげ,その分析を通して福澤や黒田がもつ版権についての認識を浮き彫りにし,この時期の偽版,重版の意味を捉えるきっかけになればと思う.</p>

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明治25年12月14日、黒田麹廬が死去。幕末の膳所藩出身で、『ロビンソン・クルーソー』を初めて邦訳した。堀井健司「幕末維新期における版権についての一考察」(『出版研究』40)は、福沢諭吉の『西洋事情』を黒田が勝手に改訂したという『増補和解 西洋事情』を分析。 https://t.co/cwBDjPLQZe

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