著者
大屋 祐太 北野 慈和 グエン レ ズン 山田 朋人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_43-I_48, 2018

北海道において線状降水帯による豪雨災害は近年増加しており,代表的な例として2014年9月に同地域で初めて大雨特別警報が発生した事例が挙げられる.本研究では,線状降水帯を形成する複数の積乱雲内の風速場を詳細に解析するため,上記事例にドップラーレーダのドップラー速度を用いた三次元風速場推定手法(the Multiple-doppler Synthesis and Conitinuity Adjustment Technique, MUSCAT法)を適用した.線状降水帯の一部では高さ6km付近において線状降水帯に直交する流入風による鉛直循環構造が見られ,流入風の風下側では強い反射強度が対流圏上層まで到達するという特徴を得た.これらの特徴は,2015年9月に鬼怒川流域で発生した平成27年の関東・東北豪雨の線状降水帯においても観察された.

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