著者
小山 拓志
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2019, 2019

近年,南極に分布する周氷河地形は,火星の地表および地下環境を推論するのに有用であることが分かってきた(例えば,Marchant and Head,2007;Levy <i>et al</i>.,2010;松岡,2016)。特に,火星で発見された多角形土(ポリゴン)の規模と形態は,南極内陸部のものと比較され,それらを基に火星地表環境を推定する試みもなされている(例えば,Balme<i> et al</i>.,2013)。一方で,南極に分布する多角形土の詳細な三次元形態(規模・形態)やそれらの経年変化,あるいは三次元形態と地下のくさび構造との関係は未だに未解明な部分も多い。<br><br>そこで本研究では,東南極の中央ドロンイングモードランドに位置するVassdalenにおいて,多角形土のUAV-SfM測量を実施し,詳細なデジタル地形モデル(DEM)および分布図を作成した。また,地形量の一つである尾根谷度を活用することで,多角形土の規模および形態の把握を試みた。そして,本研究で得られた詳細な多角形土の三次元形態と,地中レーダーおよびトレンチ調査によって得られた内部構造のデータを活用して,火星地表環境解明へ向けた画像解析を試行したので報告する。

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