- 著者
-
藤塚 吉浩
- 出版者
- 日本都市地理学会
- 雑誌
- 都市地理学 (ISSN:18809499)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, pp.34-42, 2015
<p>本稿では,2000 年代のブルックリンにおけるジェントリフィケーションの変化とその影響について検討した.ウィリアムズバーグにおける創造的活動を確認し,アーティストに利用される歴史的建造物や,倉庫を改装した音楽ホールがつくられるとともに,地区の工業景観をモチーフにしたブランド商品が開発された.イースト川沿いの工場や倉庫跡地の再利用のために,2005 年にゾーニングの変更が行われたが,一部の地域に効果は限られ,全域には及んでいなかった.アフォーダブルな住宅の供給により,許容される容積率は追加されたが,住宅の価格差が大きく,住民間の格差が顕在化した.規模の大きな開発は地域の住民構成を大きく変えることとなり,マイノリティの住民を立ち退きさせる結果となった.</p>