- 著者
-
渡辺 麻里子
- 出版者
- 日本文学協会
- 雑誌
- 日本文学 (ISSN:03869903)
- 巻号頁・発行日
- vol.63, no.7, pp.58-68, 2014
<p>談義や論義の場で生まれた書物には、時折、その場を彷彿とさせる表現が見られる。論義書の伝静明作『天台問要自在房(百題自在房)』十巻は、「申されずるでそう」「申されまじいて候」等、口語表現が多用されている点でも注目されてきた。本稿では、本書の他に、『鷲林拾葉鈔』や『轍塵抄』などの談義書について取り上げ、談義書に特徴的な表現について論じる。また、漢字の表記、特に読み方にこだわる表記をめぐる問題について検討する。</p>