著者
廣瀬 秀行 浅見 正人
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.B-25_2-B-25_2, 2019

<p>【目的】高齢者が使用するハンドル形電動車椅子(以下HEWC)の事故が多発しており、日本福祉用具・生活支援用具協会から身体の能力及び認知機能の検査方法と運転適性との関係確認方法について先行研究を調査する依頼を受けた。HEWCは高齢者の社会性を増加させると同時に、運動機能をいかに低下させないかの課題や診療報酬でのFIMの修正自立での手段としても関与する。ここでは、医学分野の中で用いられる研究文献収集法、インターネットおよび本調査委員による国内の情報、同様に海外調査を実施した。最後に医学分野で使用されるEBMに基づいたガイドライン作成手法に準じて、まとめを作成した。</p><p>【方法】研究文献収集に用いたデータベースは、当初英文が5つ(MEDLINE、CINAHL、OTseeker、The Cochran Library、PEDro)を活用し、和文が1つ(医中誌Web)を活用した。今回、除外条件は①原著論文でないもの、②全文の入手が困難なもの、③小児のみを対象としているもの、④製品の開発に関するものとした。また、インターネットによって、国内および国外の研究論文ではない情報も収集した。</p><p>【結果・考察】これらの条件からレビューを行った結果、最終的に残った文献が英文25本であり、そこに2本の本委員会委員による紹介などの文献を加えた27本を抽出した。加えた2本の文献はいずれも社会学系であり、また工学系からのアプローチ(原著論文ではない)もあり、医学文献での検索では限界があると同時に、ハンドル形電動車椅子の各種問題について議論するときの範囲の広さを示していた。国内の情報としては、消費者庁、経済産業省、そして警察庁から集めることができ、特に警察庁は電動車椅子の事故に関するwwwができていた。国外は米国、オーストラリア以外にカナダ、英国、イスラエル等各国で同様な情報があった。ここではEBMのガイドラインに準じて、臨床的疑問を以下のように作成し、それに対する答えを各論文を批判的吟味をしながら記載、まとめた。代表的臨床的疑問として、〇軽度を含む認知症と電動車椅子の事故発生または操作能力低下と関係するか?軽度を含む認知症が電動車椅子の操作性や事故に影響するとは言えない。〇年齢が電動車椅子の事故発生または操作能力と関係するか?65歳以上の高齢で事故発生が多く起こっている。〇最高速度制限は有効か?トレーニング中は考慮すべきであるかもしれないが、道路・線路横断などは速度が遅いと横断できない可能性を持つ。〇事故は運転開始早期に起こっているか?不慣れなど、運転開始早期や新しい環境で事故が起こっている。〇横断中の自動車との事故が多いいか?非常に多い。〇旗、ヘルメット、シートベルト、夜間の視認のための洋服や反射材、定期的点検は装着や実施すべきか?すべきである。</p><p>【まとめ】理学療法士はこれらを意識し、HEWCを適切に使いこなし、高齢者の社会性と健康を維持できるように対応すべきである。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】倫理的配慮:必要なし。利益相反:なし。</p>

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こんな論文どうですか? ハンドル形電動車椅子の安全性:―文献・情報調査を中心に―(廣瀬 秀行ほか),2019 https://t.co/5GeB2ZF4nY <p>【目的】高齢者が使用するハンドル形電動車椅子(以下HEWC)の事故が多発しており、日…

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