著者
谷口 守
出版者
一般財団法人 運輸総合研究所
雑誌
運輸政策研究 (ISSN:13443348)
巻号頁・発行日
2020

<p>楽しい本である.たとえて言えば,まるでバイキング料理のようだ.執筆者はそれぞれの専門分野から総勢18名.書き方や内容を特に調整している様子はうかがえない.自動運転というキーワードのみ著者間共通で,あとは素材の切り取り方も味付けもそれぞれに自由奔放である.全部で16章ある各章のポイントとなる用語を独断で抜き出して並べてみても,「幸せ」「安全・安心」「戦略」「つながる」「管制システム」「ゲームAI」「ロボット」「イノベーションジレンマ」「建築」「都市」「公共交通」「高齢ドライバー」「パーソナルモビリティ」「運輸人手不足解消」「農業自動化」「電力事業」とそのカバーする範囲は極めて広い.自動運転がタイトルにつく書籍は近年とみに増えているが,その中でも異色の存在といえよう.また,内容から判断し,自動運転だけの領域にとどまらず,いわゆるCASEと呼ばれるモビリティ・イノベーション全体を視座に含めた書籍と位置付ける方が適切だろう.</p>

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