著者
河村 優詞
出版者
NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会
雑誌
自閉症スペクトラム研究 (ISSN:13475932)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.47-55, 2018

<p>研究の目的:小学校の特別支援学級に在籍する児童に対する漢字の筆順指導において、色・数字刺激による指導の効果を明らかにすることであった。研究計画:A-B-プローブデザインを使用した。場面:小学校の教室で実施した。対象児童:特別支援学級に在籍する児童(介入1:6 名、介入2:4 名)であった。独立変数の操作:介入1 では色・数字で筆順を示した薄い色の線を鉛筆でなぞる学習を行わせた。介入2では、プリントに色・数字で筆順を示した見本を付し、空白のマスに筆記させた。行動の指標:正確な筆順で書けた漢字の数をカウントした。結果:介入1、2 ともに正しい筆順で書けた漢字の数が増加した。介入1では同じ構成要素をもつ他の漢字に筆順の汎化が見られた。介入2では筆順が他の筆順に干渉し、誤答となった可能性のあるケースが見られた。結論:色と数字は視覚的且つ弁別が容易な刺激であり、有効な筆順指導の方法であると考えられた。筆順の汎化や干渉を踏まえ、指導する順序に配慮が必要なケースがあると考えられた。</p>

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