- 著者
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木村 知宏
- 出版者
- 日本デジタルゲーム学会
- 雑誌
- デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
- 巻号頁・発行日
- vol.7, no.2, pp.23-33, 2015
本研究では、情動・覚醒質問紙と唾液中コルチゾール、心拍数を用いて、デジタルゲームの異な る要素が感情経験と生理反応に与える影響についての検討を行う。大学生30名を対象として実験が行わ れ、唾液の採取と質問紙による主観的反応の測定がゲームプレイ前後に 2 回ずつ行われた。実験参加者 は、対戦格闘ゲームの操作技術を学習するゲームモード、またはコンピュータと対戦するゲームモード、 ゆっくりと村での生活を楽しむゲームのいずれかをプレイした(各ゲーム内容をプレイした群を、それ ぞれスキル学習群、対戦群、統制群とした)。その結果、コルチゾール分泌量と心拍数においてはゲー ム内容の違いによる差は見られなかったが、主観的反応において差が見られた。反応速度を要求するゲー ムの要素は、緊張感と活力感を生起させることが示された。