- 著者
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中山 友瑛
片山 正純
- 出版者
- 日本認知心理学会
- 雑誌
- 日本認知心理学会発表論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.2019, 2019
<p>身体意識の成立には,意図した運動,運動指令の遠心性コピーから予測した運動,感覚情報のそれぞれの比較が重要である.この観点から,身体所有感の成立に必要となる最小限の身体の視覚情報を明らかにするために,仮想空間内に手の指先・関節位置に点を表示する光点提示および骨格提示に対する身体意識(運動主体感と身体所有感)を調査した.各提示条件において手指の運動課題を3セット繰り返し,セット毎に身体意識のアンケート調査を行った.この結果,運動主体感は両条件における全てのセットで高い評定値となった.一方,身体所有感を評定値の高いグループと低いグループに分けて評価した結果,高いグループにおいて骨格条件では全てのセットで高い評定値となった.しかし,光点条件ではセット毎に評定値が徐々に高くなり,第3セット後には骨格条件と同程度に高くなった.以上より,手の光点提示に対しても身体所有感が成立することを明らかにした.</p>