著者
池内 裕美
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.186-193, 2017

「ホーディング」(hoarding) とは,「他の人にとってほとんど価値がないと思われるモノを大量にため込み,処分できない行為」と定義され,1990年頃から臨床心理学や精神医学の領域において,特に強迫性障害 (OCD) の観点から多くの研究がなされている。しかしその一方で,ホーディング自体は誰にでも,すなわち非臨床的な人にもみられる,極めて日常的な行為であるという主張もある。<br> そこで本論では,より重篤な強迫的ホーディングと非臨床群を対象とした日常的なホーディングの両方に焦点を当て,ホーディングをめぐるさまざまな課題について既存研究を基に概説する。より具体的には,精神疾患や幼少期の家庭環境といったホーディングと関連する諸要因,ため込む人の特性,ため込む理由やその対象,さらにはホーディングのもたらす諸問題等について取りあげる。そして,最後にホーディングに陥らないための予防や対策について考察する。

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