著者
今井 瞳良
出版者
日本映像学会
雑誌
映像学 (ISSN:02860279)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.137-154, 2019

<p>本稿は、白川和子が主演した日活ロマンポルノの団地妻シリーズ『団地妻昼下りの情事』( 西村昭五郎監督、1971 年 ) と『団地妻 しのび逢い』(西村昭五郎監督、1972 年)の分析を通して、「団地妻」が「密室に籠る団地妻」からの解放を模索していたことを明らかにする。団地妻は憧れのライフスタイルであるとともに、社会から隔絶され、孤立した「密室に籠る団地妻」としてイメージされてきた。ところが、団地妻イメージとして絶大な影響力を持った白川主演の「団地妻映画」は、「密室に籠る団地妻」からの解放を模索する「団地妻」と、会社に組み込まれた不安定な「団地夫」の夫婦を定型としている。「団地妻映画」は、「密室に籠る団地妻」というイメージにはあてはまらない作品であったのだ。ところが、結婚して本物の団地妻となり引退した白川和子は、「団地妻映画」と「密室に籠る団地妻」という相反するイメージを接続させ、遡行的に団地妻イメージの起源となっていく。白川が「団地妻」を演じた『昼下りの情事』と『しのび逢い』は、「密室に籠る団地妻」からの解放を模索する「団地妻映画」であったにもかかわらず、団地妻イメージの起源として捏造されたのである。</p>

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おもしろそうな論文を教えてもらった。どこで読めるかなあ。なるほど団地妻モノのポルノは専業主婦として団地に縛り付けれた女性の解放でもあったと。団地妻イメージの起源はもっと前からあるのだなあ

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おもしろそうな論文を教えてもらった。どこで読めるかなあ。なるほど団地妻モノのポルノは専業主婦として団地に縛り付けれた女性の解放でもあったと。団地妻イメージの起源はもっと前からあるのだなあ / “CiNii 論文 -  日活ロマンポルノに現れた「団地妻」―白川和子と団地…” https://t.co/mUZ9re2zXk

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