- 著者
-
山川 慶
野原 博和
宮里 剛成
島袋 孝尚
金谷 文則
- 出版者
- 西日本整形・災害外科学会
- 雑誌
- 整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
- 巻号頁・発行日
- vol.68, no.3, pp.574-577, 2019
<p>我々は比較的稀なガス含有腰椎椎間板ヘルニアの1手術例を経験した.症例は54歳男性で主訴は右臀部から下肢への放散痛である.CTでL4/5椎間板及びL5椎体レベルの脊柱管内やや右側にガス像を認め,MRIでL5椎体レベルにT1,T2,STIRで境界明瞭な低信号の腫瘤を認めた.以上からガス含有腰椎椎間板ヘルニアと診断し手術を行った.術中所見で右L5神経根の肩口から腋窩部にかけてガス含有椎間板ヘルニアを認めた.L5神経根は圧排され緊張が強く可動性がほとんど見られなかった.硬膜とヘルニア腫瘤の癒着を剥離している際に「パン」と破裂音とともにヘルニア腫瘤が縮小.縮小した腫瘤はピースバイピースで摘出した.病理組織像は硝子化をともなった線維結合組織であった.術後12日目のCTではL4/5椎間板腔,脊柱管内にガス像を認めたが3カ月目ではほとんど消失していた.現在右下肢痛無く経過している.</p>