- 著者
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古積 博
坂本 尚史
- 出版者
- 総合危機管理学会
- 雑誌
- 総合危機管理
- 巻号頁・発行日
- vol.2, pp.49-56, 2018
巨大地震が発生した場合、石油コンビナートは大きな被害を受ける。他方、公設消防は、コンビナート災害に対応できない可能性が大きい。そのため、石油タンクや石油施設が被害を受けた場合、長時間にわたって火災が続く可能性がある。そこで、著者は、石油類に不溶な浮遊ビーズをタンクへ投入して、火災発生の防止、抑制、ボイルオーバー防止策を検討した。直径0.3mまでの大きさの容器にヘプタン、軽油等を入れて液体の蒸発速度、燃焼時の燃焼速度及びボイルオーバーの起こり易さ、激しさ等を測定した。その結果、以下のことが明らかにできた。1) 液体の蒸発速度はビーズの投入で減少し、その引火点が上昇した。その結果、石油類の漏えい、タンク浮屋根の沈下の際でも、火災発生の危険が低下する。2) ビーズ投入で火災発生後の燃焼速度は減少し、周囲への放射熱が減少した。3) 軽油では、ビーズ投入によってボイルオーバーの発生が抑制できた。