- 著者
-
齋藤 歩
- 出版者
- 日本アーカイブズ学会
- 雑誌
- アーカイブズ学研究 (ISSN:1349578X)
- 巻号頁・発行日
- vol.24, pp.4-28, 2016
<p>本論の目的は、建築レコードのアプレイザル・ガイドラインに対して、一元的な尺度を用いた評価を実施することである。フランク・ボールズは、それまでのアプレイザル理論には実証性が欠けているとして、「ミクロアプレイザル」の必要性を主張した。本論ではボールズが整理したその判断基準を参照して、建築レコードに関するアプレイザルの判断基準を分析する方法を採った。対象を1970年代以降の北米における六種類のガイドライン等とし、ボールズが1991年にまとめた判断基準と照合した。結果として「記録本来の目的」「トピックの重要性」の重視、「利用の制約」「保持のコスト」「選択の影響」への考慮の不足、以上の二点を明らかにした。</p>