著者
古後 晴基 山下 裕
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.187-193, 2020

<p>[目的]本研究は,野球選手を対象とし,超音波画像を用いて回旋腱板の筋厚特徴を検討することを目的とした。[対象]被験者は大学生で,硬式野球経験が高校で3年間あり,軟式野球経験を含めた野球経験が5年以上ある男性30名(60肢)を対象とした。[方法]調査項目は,質問紙による調査と超音波画像による腱板筋群(投球側および非投球側)の筋厚とした。[結果]各筋厚を投球側と非投球側で比較した結果,棘下筋は投球側が有意に低値であり,肩甲下筋は投球側が有意に高値であった。投球肩障害の既往歴あり群と既往歴なし群で比較した結果,ポジション歴や各筋厚に有意差は認められなかった。しかし,ポジション歴に関して,既往歴なし群は野手経験のみの者が多く,既往歴あり群は投手もしくは捕手経験の者が多い傾向であった。さらに,投球側の各筋厚を従属変数とし,身長,体重,野球歴,ポジション歴,既往歴を独立変数として重回帰分析を行った結果,棘下筋と小円筋の筋厚は,野球歴に有意な負の関連が認められた。[結語]これらのことから,野球経験が5年以上ある野球選手において,棘下筋の筋厚は投球側が薄く,肩甲下筋は投球側が厚いことが示唆された。投球障害肩の既往歴がない者は野手経験のみの者が多く,既往歴がある者は投手もしくは捕手経験ありの者が多い傾向であった。また,経験年数は棘下筋と小円筋の筋厚に負に影響することが示唆された。</p>

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野球選手の腱板厚 ✅各筋厚を投球側と非投球側で比較した結果,棘下筋は投球側が有意に低値であり,肩甲下筋は投球側が有意に高値であった https://t.co/ObNyXAWW1z

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