著者
新田 康博
出版者
観光学術学会
雑誌
観光学評論 (ISSN:21876649)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.35-46, 2018

都市近郊の中山間地域における自転車アクティビティ(とりわけヒルクライム)を取り上げ、既存の場所がその意識的な働きかけによっていかに捉えられているかという問いに答えつつ、モビリティ(移動性)の身体的な経験や空間性について考察する。人と自転車の組み合わせによって生み出されるサイクリングの経験は、物質的な景観のみならず、その時どきの身体の状態とともに場所の印象が構成され、身体的な動きと場所を通した感覚的な経験により、場所に関する具体的な地理感覚が認識されている。身体が経験する異なる感覚によって呼び起される場所という視点は、空間・場所・景観を研究し、解釈する方法を考えるうえで重要な意味を持つ。静的に「存在する」だけでなく、積極的に参加するなかで様ざまに変化し、様ざまな経験により内在的に構成されるものなのである。

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