- 著者
-
石原 千秋
- 出版者
- 日本文学協会
- 雑誌
- 日本文学 (ISSN:03869903)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.4, pp.2-10, 2015
<p>「言語ゲーム」を、言葉と振る舞いのセットによって成り立っていると考えるなら、あらゆる「研究」は、言葉と祈りという振る舞いのセットで成り立つ宗教のようなものではないか。しかし、「言語ゲーム」を批判しながら「第三項」理論を構築する田中実も須貝千里も決定的な誤解の上に批判を展開している。東ロボが受けた東大模試の英語の試験に見られるように、コンテクストが「正解」をいくらでも作り出すことができる。これが文学を教室で殺さずに教えることではないか。</p>