著者
石原 千秋
出版者
至文堂
雑誌
国文学解釈と鑑賞 (ISSN:03869911)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.133-136, 1999-11
著者
石原 千秋
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.2-10, 2015

<p>「言語ゲーム」を、言葉と振る舞いのセットによって成り立っていると考えるなら、あらゆる「研究」は、言葉と祈りという振る舞いのセットで成り立つ宗教のようなものではないか。しかし、「言語ゲーム」を批判しながら「第三項」理論を構築する田中実も須貝千里も決定的な誤解の上に批判を展開している。東ロボが受けた東大模試の英語の試験に見られるように、コンテクストが「正解」をいくらでも作り出すことができる。これが文学を教室で殺さずに教えることではないか。</p>
著者
石原 千秋
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

明治30年代の読者が馴染んでいて、なおかつ礎石文学と共通点を持つ女学生小説と家庭小説と漱石文学との違いを明らかにした。第一は、漱石文学の女性主人公は女学校を卒業して以降の女性の運命を書いたものであって、彼女たちは恋愛や結婚生活において自らを「謎」の存在とすることで、男性との関係にいおて主体性を確保したこと。第二は、漱石文学は明治31年に施行された明治民法を意識して書かれており、これは「家族小説」と呼ぶべきで、山の手に形成されつつあった新興の中間層に父権的資本主義下の近代家族の質を提示し続けたことである。