著者
山本 明歩
出版者
山梨英和学院 山梨英和大学
雑誌
山梨英和大学紀要 (ISSN:1348575X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-14, 2018

我々が言語を用いる際には一定数の言い間違えが生じる。これらの言い間違えは我々が言葉を創出する過程についてのなんらかのヒントを与えてくれる可能性があると考えられ、研究の対象となってきた(寺尾 2006)。例えば、寺尾が幼児の言い間違えに多く見られる要素として挙げている音位転倒は、幼児が一度に処理できる音韻要素の容量について多くの示唆を与えてくれるものである。しかしながら、文法などのより一般的な言語運用能力について考察する上では、また新たなアプローチが必要になると考えられる。そこで、本稿では発話に見られる「言い間違い」ではなく、映画の原稿に見られる非文を分析し、それによって文法構造の背景となる人間の認知パターンについての分析を試みた。その結果、様々な非文の中では主語の省略が最も多く見られたが、特に、主語が図ではなく地として機能する場合に省略が生じる傾向が見られた。つまり、本来の文章の一部を省略すること自体が、「その文章の中のどの部分に話し手の注意を引き付けたいのか」という話し手の意図を反映するものであり、例えば命令文に見られる主語の省略も、同様の機能を果たしているのではないかということが示唆された。

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こんな論文どうですか? 映画の原稿に見る非文の構造(山本 明歩),2018 https://t.co/3cwngynbPH 我々が言語を用いる際には一定数の言い間違えが生じる。これらの言い間違えは我々が言葉を創出する過程についてのなんらかのヒントを…
こんな論文どうですか? 映画の原稿に見る非文の構造(山本 明歩),2018 https://t.co/3cwngynbPH 我々が言語を用いる際には一定数の言い間違えが生じる。これらの言い間違えは我々が言葉を創出する過程についてのなんらかのヒントを…

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