著者
山本 明歩 Akiho YAMAMOTO 京都文教大学総合社会学部 KYOTO BUNKYO UNIVERSITY Department of Social Relations
出版者
京都文教大学
雑誌
総合社会学部研究報告 = Reports from the Faculty of Social Relations (ISSN:21888981)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.11-26, 2012

Anabaptists, who reside in many countries throughout the world, include the Mennonites, the Amish, the Brethren and Hutterites. The customs in some of the old-order groups in Anabaptists are distinguishable in many ways from those of the society around them. This difference, along with their religiousness, makes them look fundamentalistic and conservative. In short, they are often viewed as groups of people who restrict personal freedom and resist any changes in lifestyle. In contrast to such observations, this paper argues that Anabaptists actually put emphasis on individual choice and that this leads to the diverse cultural traits and behavior which include what seems to be the resistance to assimilation or acculturation observed in traditional groups.
著者
山本 明歩
出版者
山梨英和学院 山梨英和大学
雑誌
山梨英和大学紀要 (ISSN:1348575X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-14, 2018

我々が言語を用いる際には一定数の言い間違えが生じる。これらの言い間違えは我々が言葉を創出する過程についてのなんらかのヒントを与えてくれる可能性があると考えられ、研究の対象となってきた(寺尾 2006)。例えば、寺尾が幼児の言い間違えに多く見られる要素として挙げている音位転倒は、幼児が一度に処理できる音韻要素の容量について多くの示唆を与えてくれるものである。しかしながら、文法などのより一般的な言語運用能力について考察する上では、また新たなアプローチが必要になると考えられる。そこで、本稿では発話に見られる「言い間違い」ではなく、映画の原稿に見られる非文を分析し、それによって文法構造の背景となる人間の認知パターンについての分析を試みた。その結果、様々な非文の中では主語の省略が最も多く見られたが、特に、主語が図ではなく地として機能する場合に省略が生じる傾向が見られた。つまり、本来の文章の一部を省略すること自体が、「その文章の中のどの部分に話し手の注意を引き付けたいのか」という話し手の意図を反映するものであり、例えば命令文に見られる主語の省略も、同様の機能を果たしているのではないかということが示唆された。