著者
大野 志郎
出版者
日本情報教育学会
雑誌
情報教育ジャーナル (ISSN:24326321)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.10-17, 2019

SNS利用者の増加および低年齢化が進む中,情報モラル教育の観点から,SNS利用による問題の発生を抑制するための知見が求められる. 本研究ではSNSの利用動機と 様々な問題との関連の強さを明らかにするため,オンラインアンケート調査を実施した. 事前調査により,15歳から39歳までのインターネット長時間利用者(n=2,994)を抽出し,そのうちSNSを最もよく利用する709サンプルを用いた. SNS利用動機の因子分析の結果,「逃避」「優越感・評価の獲得」「日常の関係維持」「愚痴・相談」「共感の獲得」の5因子が見いだされた. 続いて,諸問題を目的変数,SNS利用動機を説明変数とするロジスティック回帰分析を行った. SNS依存傾向に対する調整オッズ比は,逃避が2.92,優越感・評価の獲得が2.30,共感の獲得が2.32であり,有意であった.また,優越感・評価の獲得の動機は,身体的・精神的健康の問題(調整オッズ比4.73,3.52)との関連が顕著であり,大切な人間関係への悪影響,多額のムダ使いとも強く関連していた.

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https://ci.nii.ac.jp/naid/130007880353/ 一番大きい因子は、やらなければならない事からの逃避なので、 「掃除とか、せなあかんこと」をやりたくないから、SNSばかりやり続けてしまうのです。

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