- 著者
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水田 康平
大久保 宏貴
大中 敬子
仲宗根 素子
金城 政樹
西田 康太郎
- 出版者
- 西日本整形・災害外科学会
- 雑誌
- 整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
- 巻号頁・発行日
- vol.69, no.3, pp.508-511, 2020
<p>15歳女性.1年程前からバレーボール後に左手関節痛を自覚したが,安静にて症状が改善したため医療機関を受診しなかった.4か月前グランドゴルフで地面を強打した後から疼痛が増悪し,近医を受診した.単純X線像で骨傷を認めず,装具療法・安静を指示された.2か月後に疼痛の改善なく再診した.単純X線像で月状骨の圧潰を認め,ギプス固定を行うも,圧潰が進行し当院を紹介された.初診時,左手関節背側に圧痛を認め,握力は4kg(健側比22%)と低下,手関節可動域は背屈40°/掌屈10°と制限を認めた.単純X線像で月状骨の扁平化と分節化を認め,ulna varianceは-2.4mmで橈骨遠位骨端線は閉鎖していた.MRIではT1,T2強調像ともに月状骨が低輝度を呈し,Lichtman分類stageⅢ-Aのキーンベック病と診断した.圧潰の進行を認めたため橈骨短縮骨切り術を行った.術後13か月で疼痛は著明に改善.握力:22㎏(健側比117%),手関節可動域:背屈80°/掌屈80°と改善し,MRIで月状骨のrevascularizationを認めた.</p>