著者
卯田 卓矢
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2020, 2020

<p>近年,星空を新たな観光資源と捉え,交流人口の拡大を図る自治体を各地でみることができる.例えば,長野県阿智村の「天空の楽園・日本一の星空ナイトツアー」や,鳥取県の「星取県」プロジェクト(2017年開始)は星空を活用した代表的な観光振興策と位置づけられる.日本の都市部の夜空は明るく,多くの星を眺めることができない.それゆえ,満天の星空を観望することは「非日常的な体験」=観光対象となる.とくに,都市から遠く,光源の影響を受けない列島縁辺地域では星空は有用な観光資源になりえるといえよう.一方,星空はこうした地域の住民にとって身近過ぎることで観光対象と認知されず,資源化の取り組みが浸透しない傾向にある.また,星空は暗い夜空を見上げれば「誰もが自由に(無料で)」観望できるという性格をもつため,観光振興を進める際は観望の「付加価値化」を図ることが重要となる.</p><p>本発表は以上の課題を踏まえ,沖縄県の八重山諸島を事例に,列島縁辺地域の離島における「観光資源としての星空」の可能性を検討する.八重山諸島を含む南西諸島は緯度の関係上本土と比して多くの星を観望することができる.その中で,石垣島は先進的に星空ツーリズムを推進し,官民一体となった取り組みを展開している.本発表ではこの石垣島に注目し,発展のプロセスとその特徴を明らかにしたうえで(卯田・磯野 2020),八重山諸島への星空ツーリズム拡大の可能性を「すみ分け」という観点から考察する.</p>

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