著者
杜 国慶
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2020, 2020

<p>近年、情報とコミュニケーション技術の発達に伴い、ソーシャル・ネットワークで発生する口コミなどのユーザ生成コンテンツも急増し、生産者と消費者の関係を大きく変えている。観光は消費者の経験に大きく依存する経済活動であり、観光者の関心も従来の観光地や観光事業者の宣伝からユーザ生成コンテンツに変化してきた。他方、観光地のイメージ形成には国籍に差異が存在し、国籍が観光地イメージ形成の共通変数として考えられると指摘されている。同様に、主に言語を媒体としているユーザ生成コンテンツは、言語別に特徴が存在すると推測できる。</p><p></p><p> 本研究は、イタリアのヴェローナを事例として、TripAdvisorに掲載された27言語の投稿数を用いて、観光スポットの分布と言語の異同を分析する。TripAdvisorは2018年に投稿数が1.55億件に達し、世界最多の投稿数を有するサイトであり、観光者だけによるユーザ生成コンテンツに限られている重要かつ貴重な情報源である。事例都市のヴェローナはイタリア北東部のヴぇネット州に属し人口およそ26万人の都市である。2000年以上の歴史をもつ要塞都市として発展してきた中心部には円形闘技場など古代ローマの遺跡が現存し、中世の町並みがよく保存されており、2000年に「ヴェローナ市街」として世界遺産に登録された。また、シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の舞台としても名高い。ミラノとヴェネツィアの間に立地するため、両都市から容易に日帰り旅行ができる。また、1913年に始まった世界最大規模の野外オペラ祭、イタリア最大のワイン祭りVinitalyの開催地として、短期滞在観光者も多い。</p>

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