著者
甲斐 尚人
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.19-33, 2020

<p> 多くの企業はマニュアル化などによって技術継承を試みているが、言語化が難しい暗黙知が未だに故障の原因となっていることが多い。本研究では、鉄道車両における故障事例に焦点を当て、暗黙知習得のために必要なマニュアル内の要素を明らかにした。2013年に発生した特急「北斗20号」の車両故障の分析で明らかになった「気づき」の重要性について、キャストの評価が高い東京ディズニーランドの教育用マニュアルと鉄道車両の検修マニュアルを比較した。表層上の違いとして、見出しのフォントや表現の工夫が見られた。また、表現上の違いとして文章構成や例示表現、文末表現に工夫があることがわかった。同じく2013年に発生した特急スーパーおおぞら3号のヒューマンエラーの分析では、技術者の意識の不足、経験の不足が誤った取扱いに繋がっており、マニュアル内の文と図の取り扱い方が読み手に対して誤認識を誘発する可能性があることがわかった。</p>

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こんな論文どうですか? 鉄道車両の故障分析による暗黙知の抽出に関する研究(甲斐 尚人),2020 https://t.co/TmzE96mimT <p> 多くの企業はマニュアル化などによって技術継承を試みているが、言語化が難しい暗黙知が未だに故障の…

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