- 著者
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大宮 望
中邨 良樹
- 出版者
- 日本知能情報ファジィ学会
- 雑誌
- 知能と情報 (ISSN:13477986)
- 巻号頁・発行日
- vol.32, no.6, pp.935-943, 2020
<p>昨今,邦画における興行収入は,洋画を上回っている.興行収入を多く得るためには,映画によって観客に様々な感情を抱かせることが重要であると言われている.観客に様々な感情を抱かせるには,非日常的な感情の起伏を惹き起こすことが,重要であると言われている.そしてこれを実現する1つに,台詞がある.本研究では,この台詞と興行収入の関係性に着目して進めていく.興行収入と台詞における取り組みは,国外で多く国内では少ない.そこで本研究では,台詞を定量化し興行収入との関係性について評価をおこなう.加えて映画の受賞歴などの映画における基本的な情報が興行収入に与える影響について評価する.これらの2つの評価を分析する枠組みから,考察をおこなう.そしてそれらの結果から,邦画においても台詞及び受賞歴における特徴が興行収入に影響を与えていることを示した.また新たな知見として,1) 興行収入を予測するにあたり台詞や感情の起伏を用いることによって誤差を少なくできること,及び2) 主演には受賞歴の少ない俳優を起用することが有益である可能性があること,の2つを示した.</p>